ニノの日記

二宮尚徳(にのみやひさのり)が思ったことなどを書いています。

自分たちにできること

 

 

 久しぶりに今日は仕事が休みなのでブログを書きます。

 

 

 これまでに何度か日本の財政状況が悪化しています、という話を書きましたが、僕は

 

 『ヤベエよ!すぐにもっと増税せねば!』

 

 と主張する気はありません。

 

 日本国債はその大半が、国内の金融機関を介して間接的に日本国民に買われているので、売り浴びせられることにより破綻するリスクが非常に低いからです。

 

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 また、このことは、別の側面から見ると、国の負債が膨らむ一方で、国民の資産は膨らんでいるということでもあります。

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 こうしたこともあり、いたずらに不安を煽り、増税の必要性を主張する気はありません。

 

 特に消費税については景気を抑制するので、どちらかというと税率を上げないほうがいいと思っています。

 

 健全な国家運営は、国家全体が経済成長し、それに伴う所得税法人税の増によって運営されるのが望ましいと考えています。

 

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 とはいえ、これ以上政府の負債を増やしていいとも思いません

 こんなグラフを見ると、こんな財政運営がいつまでも続くわけないと感じます。↓

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 では、これを改善するために自分たち一般国民に出来ることは何でしょうか。

 

 それは一言で言うと、

『国に頼らないで、自分たちにできることは自分でやる』

ということです。

 

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普通の一国民である『自分に出来ること』

 

具体的にはどういうことがあるでしょうか。

 

次回は具体的に出来ることを書こうと思います。

 

(つづく)

豊かな日本の裏側に(その4)

 

 ここまで、日本国政府の財政状況がやばそうだ、という話をしてきましたが、日本国政府の財政が悪化すると、一体何がマズイのでしょうか。

 

 

 日本の財政が悪化するとどのような影響が出るかというと、

 

 『政策の自由度が悪化』します。

 

 つまり、

『借金の返済に使うお金が増えて、肝心なことにお金が使えなくなる』

ということです。

 

 こちらのグラフを見るとそれがわかると思います。↓

 

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 必要な政策経費を切り詰めて切り詰めて、一生懸命借金を返していく。

 そんな風になっていきます。

 

(※ それでもどうしても削れない経費があるので、結局歳出の総額は増えています。)

 

 

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 今の借金返済のために払っているお金は年24兆円、半分くらいが利払いという内容で、歳出の大きな部分を占めていますが、それでもこの額はまだいい方なのかもしれません。

 

 今、日本の借金が800兆円くらいあるということですが、毎年24兆円くらいの返済で済んでいるのには、ある要因が背景にあります。

 

 それは今は金利が低いことです。

 

 

 僕の母はたまに、

『前は銀行にお金を預けてたら、たくさん利息がついたんやで。』

という話をします。

 

 でもみなさんもご存知のとおり、今はとても金利が低いですね。

 

 我々一市民としては銀行が預金に利息をあまりつけてくれないのは残念な気がしますが、ものすごく大金を借りている日本国政府としては、そのことに救われているのです。

 

 こんな感じです。↓

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 でも、もし、何らかの理由で金利が上昇したらどうなるのでしょう。 

 

 今よりも国債費が増え、ますます財政状況が悪化し、必要な政策に使えるお金が少なくなります。

 

 

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 もうひとつの財政が悪化することのマズイ点は、何より

『借金が返せなくなること』

です。

 

 今は、借金返済するために新たに借り入れを起こしそれを返済に当てています

 

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 それで回せるうちはいいです。

 

 ですが、もし、今お金を貸している人たちが、

 

 『あれ・・? 日本国債って実はやばいんじゃないの?』

 『貸すのはいいけど、本当に返せんのか?』

 

となり、貸してくれなくなり、ついに日本国政府が返す期限を迎えた借金を返せなくなったら

 

 そうなる前に、僕は『この状態は是正したほうがいい』と思います。

 

 

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 正直いいますと、自分は学生の頃、一度も日本の財政に関心を持ったことがありませんでした

 

 

 『政府』というものがあまりにも遠い存在に感じられ、政府の財政なんて自分には関係ないことだと思っていたからです。

 

 

 おそらく当時も、新聞では何度も『日本の国債発行額●●兆円突破』的な見出しあったのでしょうが、

『なんかすごい数字だけど、たぶん政治家とか偉い人がなんとかするんだろう』

と考えており、特に危機感は感じていませんでした。

 

 

 ですが、もう結構いい年の大人になり、小さい子どもたちを見ると自分の子でなくても可愛いと思うようになってくると、

『ああ、できれば自分が生まれた時よりいい日本を残しておいてあげたいな』

と感じるわけです。

 

 

 もしかしたら政府の資産をすべて売却できたらその借金は圧縮できるのかもしれませんが、これを読む限り、あまり抜本的な解決策にはならなそうです。

 → https://www.mof.go.jp/faq/seimu/03.htm

(ここに書いてある内容)

 ● 政府の資産は647兆円ある(H21年度末)。

 ● だけどそのうちの大半は資産の性質上、すぐに売って借金の返済に

  当てられるようなものではない。

 ● 例えば

  ・ 121兆円は年金の支払いのための積立金。

  ・ 63兆円は国道等、67兆円は堤防等。利益が出ず売れない。

  ・ 82兆円は外貨証券、139兆円は財政融資資金貸付金は、

   『FB』や『財投債という別の借金によって調達したものだから、

   『赤字国債建設国債』(←780兆円のやつ)の返済に

   充てることはできない。

  ・ 58兆円は出資金だけど、その大部分が独立行政法人国立大学法人

   国際機関等に対するもので、これらの出資は市場での売買対象じゃない。

 

 仮に全て売却できたとしても大きな債務が残りますし、今後おそらく毎年続くであろう財政赤字を考えると、やはり他に何か手を打たなければならないと感じます。

 

 

 この時代の日本人として生まれてきたからには、この国のために一肌脱ぎたくなりますね。

 

 

(つづく)

豊かな日本の裏側に(その3)

 

 さて、ここまでの話をまとめると、

 

 ● 日本国政府は現在、すごい額の負債をかかえている。

 (780兆円(H26年度末))

 

 ● 来年度もかなりの額の新規の借入をする予定。

  (41兆円(H26年度予算の歳入))

 

 ● 支出の内訳を見ると『借入金の返済(24%)』

 『社会保障費(32%)』が大きい。 

 

 ● 過去の推移を見てみると、これらはいずれも増加傾向にある。

 

 ● 特に、社会保障費の増加要因は高齢化によるところが大きい。

 

 ということでした。

 

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 では、この先はどうなる見通しでしょうか。

 

 高齢化によって、社会保障費は膨らみますが、日本の高齢化はこの先どのように進んでいくのでしょうか。

 

 それはこちらのグラフです。

 

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 現在、日本の人口は約1億2700万人くらいですが、これから日本は人口が減少します

 

 なんと、45年後(今年成人式を迎えた人が定年を迎える頃)には、8700万人くらいまで減る見込みだそうです。

 

 にわかには信じがたい数字ですね。

 

 また、将来の日本の年齢構成について見てみると、こちらは今後、働き盛りの世代(赤色の部分)が減少し、高齢者は横ばいで推移します。

 

 しかも高齢者のうち、75歳以上(ピンクの部分)の割合が増えています。

 

 つまり、45年後、人口に占める高齢者の割合は今よりもぐっと増え、しかも高齢のお年寄りが増えるということです。

 

 

 どう考えても、このままでは、社会保障関係の国の支出は増加するようです。

  

 

 

(つづく)

 

 

 

豊かな日本の裏側に(その2)

 

 

 さて、昨日『現在の日本の財政がとても厳しい状況』という話を

ブログに書きましたが、これを改善して、

少しずつ借金を減らしていくことは可能でしょうか。

 

 

 今日は、そのことについて書きたいと思います。

 

 

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 まず、昨日も書きましたが、平成26年度の国の収支状況はこんな感じです↓

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 ちなみに今年度も、昨年度も、一昨年度も、程度の差こそあれ、財政収支は同じような形のグラフになります。

 

 この収入と支出の差額が長いあいだ、つもりに積もって780兆円という数字になっています。

 

 責任ある大人の日本人として、できるだけ早くこの状況を改善していかなければならないと、僕は思っています。

 

 

 では、どうすればこの状況を改善できるでしょうか。

 

 理想を言えば、こうなればいいと思います↓

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 何らかの理由で税収がアップし、その一方で歳出を減らし、収支をプラスの状況に持って行き、その差額で、これまでに蓄積した借金を返していきます。

 

 もしこういう状況に持っていければ、借金を完済した暁には、黒字分を減税したり、あわよくば将来の子どもたちに貯金を残してあげられるかもしれません。

 

 

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 ですが、現実的に、大きな税収増は厳しいようです。

 

 こちらのグラフをみるとわかるように、長い間、日本の税収は伸び悩んでいます↓

 

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 この間、何度も消費税の導入や税率アップという大型の増税をしてきたにも関わらずです。

 

 来年度から消費税が8%になり、また再来年度に10%になるかもしれませんが、それだけで財政が好転するとは思えません。

 

 もちろん経済を活性化し、税収を増やしていくことは大切ですが、やはり、日本のみんなが頑張って、政府の支出を減らしていくことも必要だと思います。

 

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 ところで、歳出の96兆円は、一体何に使われているのでしょうか。

 また、どうして政府の支出は右肩上がりで増加しているのでしょうか。

 

 まず平成26年度の歳出96兆円の内訳を見てみましょう。

 

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 借金の返済額が結構大きな額を占めているという話は前回も触れましたが、

それ以外の『本当に日本国民を幸せにするために必要な経費』を見ると、

社会保障費』というものがとても大きな割合を占めていることがわかります。

 

 社会保障費というのは、

 

○ 高齢となり退職された方に給付される年金への助成や、

 

○ 病気やケガで医療が必要となった人への支援、

 

○ 介護が必要となった方への支援

 

○ 自力で生活していくことが困難となった方への生活保護

 

○ 子育てへの支援

 

 などに国が使うお金のことです。

 

 どれも大切な分野です。

 

 なお、借金返済関係を除くと2番目に多い地方への交付金というのは、

税収の少ない日本の地方自治に国が交付するお金のことです。

 

 

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 さて、平成26年度の歳出は上記のようになっていますが、歳出の内訳はこれまでにどのように推移してきたのでしょう。

 

 下図は、1960年から10年おきに歳出とその内訳を見たものです。

 

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 国債の発行残高が増えていくのに伴って、その返済額(国債費)が増えています。

 

 また、最近、社会保障関係費が急激に増加していることがわかります。

 

 基礎年金や国民健康保険後期高齢者医療制度介護保険などの財源は、被保険者による保険料の他、国からの支出が大きな部分を占めており、この部分が増えているということです。

 

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  社会保障関係費には様々な費用がありますが、高齢化が進むことにより、年金や医療、介護などへの支出が増えています。

 

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(つづく)

 

 

 

 

『豊かな日本』の裏側に

 

 久しぶりにブログを書きます。

 

 先日、千葉市内で行われた日本の将来について学ぶとある勉強会に

参加しました。

 

 テーマは『日本の財政問題と社会保障』についてです。

 

 むつかしいタイトルですね。

 

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 もともと、僕は獣医さんになるつもりだったので、

大学時代、獣医学科の勉強に力を注ぎ、

あまり社会問題について深く考えたことはありませんでした。

(全く理由になっていませんが)

 

 

 大学在学中、公務員になることに決めた際、やっと社会について勉強を

し始めました。

 正直、受験対策です。

 新聞を読み、白書という本で日本の課題について勉強しました。 

 

 ちなみに白書とはこういう資料です。

  → http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24/pdf/gaiyou.pdf

 

   ※ 公務員の試験対策以外で読んでいる人は

    少ないようですが、現在の日本の行政課題について

    勉強するうえで、よくまとまったいい資料です。

 

 その努力がみのり、晴れて公務員になれました。

 

 当然、公務員になると、仕事をしていく中で、

色々と社会の仕組みについて勉強していくことになりました。

 

 特に、僕が最初に配属された部署では、たびたび大型の財政出動が行われたことや、財務省から出向されていた先輩と同じチームで仕事をしていたこともあり、『日本の財政問題』についてとても高い関心を持つことになりました。

 

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 さて、前フリが長くなりましたが、今回の勉強会で学んだことは、

もともと自分が漠然と抱いていた問題を、あらためて非常にわかりやすくまとめて

くださったものなので、是非この機会に多くの人ともシェアしたいと考え、

概要をブログに書くことにしました。

 

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 突然ですが、みなさんは、『日本の政府』が何をしているのか知っていますか?

 

 政府というのは総理大臣と各省の大臣を中心とした、○○省とかそういう組織のことです。

 官僚はそこで働く人たちです。

 

 おおざっぱに言うと、日本国政府は、

 

『日本という国全体が幸せになるため、

 ① みんなからお金を少しずつ集めて、

 ② 社会をよくするために、良いことにお金を使う。』

ということをやっています。

 

 ①は皆さんご存知『税金』というやつです。

 

 では、②の『社会をよくする良いこと』って何でしょう?

 

 それは例えば、

 

 ・ 日本に住む高齢者や障がい者が幸せに暮らせるように援助をしたり、

 

 ・ 日本の豊かな自然環境を守ったり、

 

 ・ 日本で農業や漁業をしやすいように応援したり、

 

 ・ 外国の人に日本を好きになってもらうために途上国を援助したり

 

 ・ 日本の科学技術を振興するために研究に助成をしたり

 

 といったことなどです。

 

 中央省庁(「厚生労働省」とか「環境省」とか「農林水産省」とか)が、

それぞれが担当する分野ごとに、

『何をすれば日本が良くなるか』考え、

『そのためにいくらかかるか試算』し、

『その必要性を財務省に説明し、議論して』

日本国政府としての予算案を作っていくわけです。

 

 その予算案を、みなさんが選んだ国会議員さんたちが国会で議論し、

OKが出れば、翌年度の予算が成立します。

 

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 さて、もうすぐ4月ですね。

 

 国の年度は4月から始まり、翌年の3月までで回っています。

 

 来月から、『平成26年度』が始まります。

 

 では、日本の『平成26年度の国家予算』がどのようになっているか

知ってますか?

 

 ここに載っています。(先月更新された資料です。)

→ http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2014/seifuan26/ 

 

 書いてあることを要約すると、

 

 ① 平成26年度は、税金で日本のみんなから50兆円集めます

 

 すごいですね。

 さすが国はスケールが大きいです。

 

 そして、

 

 ② 日本のみんなを幸せにするために、平成26年度に96兆円使います

 

 

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  ・・・え?

 

 

 と思いますよね。

 「足りてないんやん!」と。

 

 そう、実は税金による収入だけでは、来年度はお金が46兆円くらい足りないのです。

 

 では、どうすれば必要なお金が確保できるでしょうか。

 

 

 そう。誰かから『借りる』しかありません。

 

 

 というわけで、平成26年度、日本国政府は税収に匹敵するくらいの額を

『借金』します

 

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 まず、この時点で

 「マジですか」

 と思う人は結構いると思います。

 

 普通、収入の範囲でやりくりするもんだろう、というのが

一般的な考え方ですもんね。

 

 しかも借りる額が半端じゃない。

 

 ですが残念ながらそうなっているのです。

 

 なお、平成26年度に必要な支出96兆円のうち、

23兆円は、単なる『借金の返済』に当てられるお金です。

利息分だけでも10兆円・・・。)

 

 実は借金するのは来年度だけではなく、

ずっと前から日本国政府は借金し続けています。

 その累積がつもりに積もって、毎年の返済額が結構すごい額になっている

のです。 

 

 ちなみにこれまでに積み重ねた借金の累積額っていくらでしょう・・・?

 

 

  その額780兆円。

 

 

 グラフにするとこんな感じです↓ 

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 グラフだけ見ると、「借金減らす気あるの・・・?」

と言いたくなりますが、歴代の総理大臣も、当然ながら

『このままではいけない』

と考え、なんとかまともな財政運営にしようと試みています。

 安倍首相も、小泉さんも、橋本さんも。

 

 

 でも、借金の増加はなかなか止まりません。

 

 

  それだけ日本には国による行政サービスを求める人がいるからです。

 

 

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 借金であるということは、当たり前ですが、

いつかは貸してくれた人に返さないといけません。

 

 

 これって、いつ、誰が、どうやって返すのでしょうか。

 

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 来月から始まる平成26年度。

 

  おそらくいつものように、多くの人に平和で幸せな日常が訪れることでしょう。

 

 安全で豊かな国・日本。

 

 そのことを決して『当たり前』と思わず、幸せの背景にある現実に、

みんながしっかりと向き合う時期なのかもしれません。 

 

 

 (また続きを書きます。)

日本のペット(犬・猫)をめぐる情勢について③

 

 

 さて、今日は

『効果的な犬猫の殺処分を減らす方法』

について書こうと思います。

 

 

 

 

 (それは何だと思います?)

 

 

 

 

 

 それはずばり、

『徹底的にノラ猫の避妊手術を行う』

ということです。

 

 

 あまり (というか全く)夢のある話ではありませんが、現実的にはこれが最も効果があると僕は考えています。

 

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 下の図からもわかるように、現在日本で殺処分されている犬猫を大きく分類すると、「猫(ピンク全体)」、特に「子猫(うすいピンク)」が大部分を占めています。

 

 

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 そして、この子猫の大半は「そこらへんで産まれてしまったのら猫の子ども」です。

 

 ちなみにのら猫といえども、子猫だからめちゃくちゃ可愛いし、めちゃくちゃ人に懐きます。(完全に余談ですが、僕が飼っている2匹の猫ももともとのら猫の赤ちゃんでした。)

 

 本当はみんな家族として飼ってあげてほしいのですが、

・「毎年」、

・「数万頭の子猫」を、

・「たまたま猫を飼おうと思っている人と」

・「全てマッチングする」

ということは非常に難しいです。

 

 現状では既に猫を飼っている人の大半が、「拾ってきた猫」や「もらってきた猫」を飼っており、現在処分されている猫を『マッチング』によって助けようとすると、新規需要をつくりだす(今まで猫を飼う予定のなかった人も飼う気にさせる)必要があり、それはとてもむつかしいことです。

 

 このため、

現在の「毎年何万頭もの動物を殺処分する」

という悲しい現実を改善するには、

 

「最初から生かすことができないとわかっているのだから、産ませないようにする」

 

ということが、現実的に最も効果的な手段なのです。

 

 もし、のら猫の繁殖を完全に制限することができれば(産ませなければ)、劇的に殺処分数を減らすことができます。

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 しかしながら、これを大規模に実行するためにはいくつかの障壁があり、とても難しいです。

 

 中でも一番大きな障壁は、この実施には結構お金がかかるということです。

 

 ノラ猫が避妊・去勢されるまでのプロセスは、

・ 誰かがノラ猫を捕獲し、

・ その子を動物病院に連れて行き、

・ 獣医師が、猫が麻酔に耐えられるかの検査を行い、

・ 獣医師が麻酔をかけ、

・ 獣医師が手術を行い、

・ 獣医師が術後の管理を行い、

・ 誰かがその子を元いた場所に戻す

 (もしくは飼い主を探す)

ということが必要になります。

 

 これを無料で実施することはほぼ不可能です。

 

 通常、動物病院では猫の避妊・去勢手術を1万円~3万円くらいで実施しているようです。

 

 この価格設定については各病院の経営判断ではありますが、ある病院では、保護犬・保護猫の施術料を自発的に低価格に設定するなど良心的な経営を行っており、こうした経営者を僕は個人的に尊敬しています。

 

 とはいえ現実的に費用負担をどうするのかは切実な問題で、これをどうするかが最も大きな課題です。

 

 

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 日本における犬・猫の殺処分を大きく減らすためには、

・ あまり共感してもらえないことについて

・ 大勢の人から理解を得て

・ 無償の善意を集める

という極めて難しいことが要求されるのです。

 

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  でも、動物が好きな人が、仮に日本の人口の1/3(4千万人)いるとして、

その人たちに、

 

「日本の猫の殺処分を劇的に減らすために、お願いですので100円ください!」

 

とお願いして回って、実際にもらうことができれば、

40億円になり、

これは約13万頭の猫の避妊手術を無償化できる規模の金額です。

 

 これは個人的な気持ちですが、もし環境大臣からそんなお願いをされたら100円くらい喜んで払う方は大勢いらっしゃるんじゃないでしょうか。

 

 ちなみにもし本気で殺処分をゼロにしてくれるんなら、僕は個人的には100万円払ってもいいと思います。

 

 さて、どうすればこれを実現できるでしょうか。

 僕はやれることからやっていきたいと思います。

 

 

日本のペット(犬猫)をめぐる現状について②

 

 さて、前回、犬や猫がたくさん処分されているという話を書いたが、具体的にはどんな犬や猫が殺処分されているのだろうか。

 

 

 まず、犬について見てみる。

 

 犬は平成23年度に43,606頭が殺処分されたが、

 このうちの36,120頭(82.8%)は成犬で、

        7,486頭(17.2%)が子犬だ。

 

 犬については大部分がおとなになった犬なので、

「途中まで飼い主がいたが、何らかの事情で飼えなくなったから」殺処分されたということがわかる。

 よく聞く理由としては、

 ・ 引っ越しで飼えなくなったから 

 ・ 家族がアレルギーになったから

 ・ 避妊手術をやってなくてうっかり産ませてしまったが飼い主が見つからないから

 等があげられる。

 

 一方、猫については、平成23年度に131,136頭が殺処分されたが、

このうち、48,814頭(37.2%)が成猫で、

     82,322頭(62.8%)が子猫だ。

 

 大部分が子猫なので、多くが

「望まれずに生まれてきたので」生まれて間もなく殺処分されたということがわかる。

 大人のノラ猫については、鳴き声やいたずらに迷惑した近隣住民が、行政に依頼し殺処分に至るというケースが多い。

 

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 こうしたことから、犬と猫の殺処分をなくすためには以下の取組がとても重要となる。(※ 他にもありますが主なものを記載しました。)

 

 犬については、

・ 飼い主のいない犬を、新しい飼い主と効率よくマッチングしてあげること

・ 一般家庭でうっかり生まれないように、犬の避妊手術をしっかりすること

・ 捨てる可能性のある飼い主は飼えないような状態をつくること 

で、

 猫については、

・ ノラ猫の避妊手術を徹底して、これ以上産ませないようにすること

・ 生まれてしまった猫を、飼い主と効率よくマッチングしてあげること 

だ。

 

 なお、犬や猫は一度の出産で5~7頭くらい、多いと10頭以上の子を産むので、

一般家庭で

「うっかり産ませちゃった☆」とか

「見て見て!こんなにいっぱいかわいい子たちが生まれました♡」

というのは、一見微笑ましいようで、

実質は、

「日本において生かすことのできる犬・猫の枠を一気に埋めてしまう」ということなので、現在のペット殺処分の構造を知っている人にとっては悲鳴をあげたくなるようなことなのだ。

 

 猫は年間に3~4回出産することが可能なので、「ノラ猫の避妊を行う」ことが、いかに大切かわかると思う。

 

 しかし、ノラ猫の避妊なんて、誰が得するようなことでもないので、この推進は非常に困難だ。

 一部の自治体や団体では、その必要性から、犬や猫の避妊手術に対し助成金を出し、実施を促しているが、それが可能なのは比較的財政にゆとりのある自治体のみである。

http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-29/ext/04_2.pdf) 

 

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 続きはまた次回書きます。