ニノの日記

二宮尚徳(にのみやひさのり)が思ったことなどを書いています。

『豊かな日本』の裏側に

 

 久しぶりにブログを書きます。

 

 先日、千葉市内で行われた日本の将来について学ぶとある勉強会に

参加しました。

 

 テーマは『日本の財政問題と社会保障』についてです。

 

 むつかしいタイトルですね。

 

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 もともと、僕は獣医さんになるつもりだったので、

大学時代、獣医学科の勉強に力を注ぎ、

あまり社会問題について深く考えたことはありませんでした。

(全く理由になっていませんが)

 

 

 大学在学中、公務員になることに決めた際、やっと社会について勉強を

し始めました。

 正直、受験対策です。

 新聞を読み、白書という本で日本の課題について勉強しました。 

 

 ちなみに白書とはこういう資料です。

  → http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24/pdf/gaiyou.pdf

 

   ※ 公務員の試験対策以外で読んでいる人は

    少ないようですが、現在の日本の行政課題について

    勉強するうえで、よくまとまったいい資料です。

 

 その努力がみのり、晴れて公務員になれました。

 

 当然、公務員になると、仕事をしていく中で、

色々と社会の仕組みについて勉強していくことになりました。

 

 特に、僕が最初に配属された部署では、たびたび大型の財政出動が行われたことや、財務省から出向されていた先輩と同じチームで仕事をしていたこともあり、『日本の財政問題』についてとても高い関心を持つことになりました。

 

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 さて、前フリが長くなりましたが、今回の勉強会で学んだことは、

もともと自分が漠然と抱いていた問題を、あらためて非常にわかりやすくまとめて

くださったものなので、是非この機会に多くの人ともシェアしたいと考え、

概要をブログに書くことにしました。

 

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 突然ですが、みなさんは、『日本の政府』が何をしているのか知っていますか?

 

 政府というのは総理大臣と各省の大臣を中心とした、○○省とかそういう組織のことです。

 官僚はそこで働く人たちです。

 

 おおざっぱに言うと、日本国政府は、

 

『日本という国全体が幸せになるため、

 ① みんなからお金を少しずつ集めて、

 ② 社会をよくするために、良いことにお金を使う。』

ということをやっています。

 

 ①は皆さんご存知『税金』というやつです。

 

 では、②の『社会をよくする良いこと』って何でしょう?

 

 それは例えば、

 

 ・ 日本に住む高齢者や障がい者が幸せに暮らせるように援助をしたり、

 

 ・ 日本の豊かな自然環境を守ったり、

 

 ・ 日本で農業や漁業をしやすいように応援したり、

 

 ・ 外国の人に日本を好きになってもらうために途上国を援助したり

 

 ・ 日本の科学技術を振興するために研究に助成をしたり

 

 といったことなどです。

 

 中央省庁(「厚生労働省」とか「環境省」とか「農林水産省」とか)が、

それぞれが担当する分野ごとに、

『何をすれば日本が良くなるか』考え、

『そのためにいくらかかるか試算』し、

『その必要性を財務省に説明し、議論して』

日本国政府としての予算案を作っていくわけです。

 

 その予算案を、みなさんが選んだ国会議員さんたちが国会で議論し、

OKが出れば、翌年度の予算が成立します。

 

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 さて、もうすぐ4月ですね。

 

 国の年度は4月から始まり、翌年の3月までで回っています。

 

 来月から、『平成26年度』が始まります。

 

 では、日本の『平成26年度の国家予算』がどのようになっているか

知ってますか?

 

 ここに載っています。(先月更新された資料です。)

→ http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2014/seifuan26/ 

 

 書いてあることを要約すると、

 

 ① 平成26年度は、税金で日本のみんなから50兆円集めます

 

 すごいですね。

 さすが国はスケールが大きいです。

 

 そして、

 

 ② 日本のみんなを幸せにするために、平成26年度に96兆円使います

 

 

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  ・・・え?

 

 

 と思いますよね。

 「足りてないんやん!」と。

 

 そう、実は税金による収入だけでは、来年度はお金が46兆円くらい足りないのです。

 

 では、どうすれば必要なお金が確保できるでしょうか。

 

 

 そう。誰かから『借りる』しかありません。

 

 

 というわけで、平成26年度、日本国政府は税収に匹敵するくらいの額を

『借金』します

 

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 まず、この時点で

 「マジですか」

 と思う人は結構いると思います。

 

 普通、収入の範囲でやりくりするもんだろう、というのが

一般的な考え方ですもんね。

 

 しかも借りる額が半端じゃない。

 

 ですが残念ながらそうなっているのです。

 

 なお、平成26年度に必要な支出96兆円のうち、

23兆円は、単なる『借金の返済』に当てられるお金です。

利息分だけでも10兆円・・・。)

 

 実は借金するのは来年度だけではなく、

ずっと前から日本国政府は借金し続けています。

 その累積がつもりに積もって、毎年の返済額が結構すごい額になっている

のです。 

 

 ちなみにこれまでに積み重ねた借金の累積額っていくらでしょう・・・?

 

 

  その額780兆円。

 

 

 グラフにするとこんな感じです↓ 

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 グラフだけ見ると、「借金減らす気あるの・・・?」

と言いたくなりますが、歴代の総理大臣も、当然ながら

『このままではいけない』

と考え、なんとかまともな財政運営にしようと試みています。

 安倍首相も、小泉さんも、橋本さんも。

 

 

 でも、借金の増加はなかなか止まりません。

 

 

  それだけ日本には国による行政サービスを求める人がいるからです。

 

 

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 借金であるということは、当たり前ですが、

いつかは貸してくれた人に返さないといけません。

 

 

 これって、いつ、誰が、どうやって返すのでしょうか。

 

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 来月から始まる平成26年度。

 

  おそらくいつものように、多くの人に平和で幸せな日常が訪れることでしょう。

 

 安全で豊かな国・日本。

 

 そのことを決して『当たり前』と思わず、幸せの背景にある現実に、

みんながしっかりと向き合う時期なのかもしれません。 

 

 

 (また続きを書きます。)