ニノの日記

二宮尚徳(にのみやひさのり)が思ったことなどを書いています。

豊かな日本の裏側に(その4)

 

 ここまで、日本国政府の財政状況がやばそうだ、という話をしてきましたが、日本国政府の財政が悪化すると、一体何がマズイのでしょうか。

 

 

 日本の財政が悪化するとどのような影響が出るかというと、

 

 『政策の自由度が悪化』します。

 

 つまり、

『借金の返済に使うお金が増えて、肝心なことにお金が使えなくなる』

ということです。

 

 こちらのグラフを見るとそれがわかると思います。↓

 

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 必要な政策経費を切り詰めて切り詰めて、一生懸命借金を返していく。

 そんな風になっていきます。

 

(※ それでもどうしても削れない経費があるので、結局歳出の総額は増えています。)

 

 

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 今の借金返済のために払っているお金は年24兆円、半分くらいが利払いという内容で、歳出の大きな部分を占めていますが、それでもこの額はまだいい方なのかもしれません。

 

 今、日本の借金が800兆円くらいあるということですが、毎年24兆円くらいの返済で済んでいるのには、ある要因が背景にあります。

 

 それは今は金利が低いことです。

 

 

 僕の母はたまに、

『前は銀行にお金を預けてたら、たくさん利息がついたんやで。』

という話をします。

 

 でもみなさんもご存知のとおり、今はとても金利が低いですね。

 

 我々一市民としては銀行が預金に利息をあまりつけてくれないのは残念な気がしますが、ものすごく大金を借りている日本国政府としては、そのことに救われているのです。

 

 こんな感じです。↓

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 でも、もし、何らかの理由で金利が上昇したらどうなるのでしょう。 

 

 今よりも国債費が増え、ますます財政状況が悪化し、必要な政策に使えるお金が少なくなります。

 

 

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 もうひとつの財政が悪化することのマズイ点は、何より

『借金が返せなくなること』

です。

 

 今は、借金返済するために新たに借り入れを起こしそれを返済に当てています

 

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 それで回せるうちはいいです。

 

 ですが、もし、今お金を貸している人たちが、

 

 『あれ・・? 日本国債って実はやばいんじゃないの?』

 『貸すのはいいけど、本当に返せんのか?』

 

となり、貸してくれなくなり、ついに日本国政府が返す期限を迎えた借金を返せなくなったら

 

 そうなる前に、僕は『この状態は是正したほうがいい』と思います。

 

 

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 正直いいますと、自分は学生の頃、一度も日本の財政に関心を持ったことがありませんでした

 

 

 『政府』というものがあまりにも遠い存在に感じられ、政府の財政なんて自分には関係ないことだと思っていたからです。

 

 

 おそらく当時も、新聞では何度も『日本の国債発行額●●兆円突破』的な見出しあったのでしょうが、

『なんかすごい数字だけど、たぶん政治家とか偉い人がなんとかするんだろう』

と考えており、特に危機感は感じていませんでした。

 

 

 ですが、もう結構いい年の大人になり、小さい子どもたちを見ると自分の子でなくても可愛いと思うようになってくると、

『ああ、できれば自分が生まれた時よりいい日本を残しておいてあげたいな』

と感じるわけです。

 

 

 もしかしたら政府の資産をすべて売却できたらその借金は圧縮できるのかもしれませんが、これを読む限り、あまり抜本的な解決策にはならなそうです。

 → https://www.mof.go.jp/faq/seimu/03.htm

(ここに書いてある内容)

 ● 政府の資産は647兆円ある(H21年度末)。

 ● だけどそのうちの大半は資産の性質上、すぐに売って借金の返済に

  当てられるようなものではない。

 ● 例えば

  ・ 121兆円は年金の支払いのための積立金。

  ・ 63兆円は国道等、67兆円は堤防等。利益が出ず売れない。

  ・ 82兆円は外貨証券、139兆円は財政融資資金貸付金は、

   『FB』や『財投債という別の借金によって調達したものだから、

   『赤字国債建設国債』(←780兆円のやつ)の返済に

   充てることはできない。

  ・ 58兆円は出資金だけど、その大部分が独立行政法人国立大学法人

   国際機関等に対するもので、これらの出資は市場での売買対象じゃない。

 

 仮に全て売却できたとしても大きな債務が残りますし、今後おそらく毎年続くであろう財政赤字を考えると、やはり他に何か手を打たなければならないと感じます。

 

 

 この時代の日本人として生まれてきたからには、この国のために一肌脱ぎたくなりますね。

 

 

(つづく)