ニノの日記

二宮尚徳(にのみやひさのり)が思ったことなどを書いています。

牧原プラン(人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト アクションプラン)について

 

 8月が近づくと気になることがあります。

 

 一つは終戦の日(8月15日)です。

 僕は日本のために戦ってくださったご先祖様に感謝しているので、毎年靖国神社にお参りに行きます。

 

 

 そして気になることのもう一つが、来年度の国の予算の大枠がわかる「概算要求」についてです。

 これは毎年8月末ごろに行われます。

 

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 「概算要求

 

 聞きなれない言葉です。

 

 これは何かというと、次の年度(今年で言うと平成27年度)の国家予算を、各省庁(農水省環境省国交省文科省 etc…)が財務省に対して要求することです。

 

 「来年度、わが省ではこういうことをやろうと思ってるんで、これくらいの額の予算を確保したいです。」

という風に。

 

 膨大な額にのぼる国家予算の大枠を、政府内で決めていくプロセスのひとつです。

 

 前にブログにも書きましたが、今日本の国家予算はすごいことになっているので、各省はそうやすやすと予算を確保できません。

 

 財務相は日本の財政再建という目標を持っているので、基本的にはできるだけ歳出をカットしたいと考えています。

 

 毎年この時期、各省の公務員の方たちは、財務省に対して自分たちのやろうとしている事業の必要性を説明するため、資料を作成し、財務省に足を運び、夜遅くまで頑張っています。

 

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 さて、僕が今年の概算要求で特に注目しているのは、「牧原プラン」に沿った予算がどのように措置されるかです。

 

 

 先月、環境省は、『人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトアクションプラン(通称 牧原プラン)』というものを発表しました。

 

 

 これは

「日本で毎年何万頭にものぼる犬・猫の殺処分をできるだけ減らし、最終的にはゼロにすることを目指すため、関係者みんなが一体となって取り組んでいきましょう。」

という内容です。

 

 このプランの中では、現在の日本の動物をめぐる状況に加え、

・「動物の飼い主さん」

・「ボランティアさん」

・「NPOの方々」

・「行政」

 など、それぞれの立場からやるべきことが整理されています。

 

 

 このプロジェクトのように、国(環境省)が政務官の肝いりで、本腰を入れて日本のペット問題に取り組むということは初めてのことなので、具体的にどのようなアクションをとるのか、とても関心があります。

 

 そして今月末の概算要求は、牧原プラン発表後すぐのものなので、犬や猫がけっこう好きな僕個人としては、どんな事業が措置されるのか、とても期待して注目しています。

 

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 さて、では今回の概算要求で、どのような予算が措置されることが望ましいのでしょうか。

 

 僕は、国が本気で日本の犬・猫の殺処分をゼロにしようと考えるのであれば、国がまずやるべきことは「のら猫の避妊・去勢手術の促進」であり、その有効な手段は「そのための財政的な支援」だと考えています。

 (→ 過去のブログ参照)

 

 日本で毎年行政によって処分されている動物の大半(76%)は猫であり、このうちの大部分が、行き場もなく生まれてしまったのら猫の子どもだからです。

 

 予算措置の形は、例えば、地域ののら猫の避妊・去勢手術に要する費用を実質無償化するために、必要な予算を国が確保し、地方自治体への交付金という形で交付して現場を支援することなどが良いのではないかと思います。

 

 もし国が30億円の予算を確保できれば、一頭あたりの手術費を概ね3万円として、全国の10万頭分ののら猫を避妊・去勢手術できます。

 

 そうすれば日本全国から繁殖可能なのら猫が一気に減り、翌年度の行政による猫の殺処分数は激減することでしょう。

 

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 しかし、くどいようですが、日本の政府は多額の借金を抱えているので、そう簡単には新規の予算を確保することはできません。

 

 もし、今年の予算要求で、環境省が「のら猫の避妊・去勢手術への財政的な支援」を措置できたら、スゴイ事だと思います。(みなさんぜひ注目してください)

 

 そうなったらみんなで牧原政務官の判断力と政治力を褒め称えましょう。

 

(※、もし、こうした抜本的な予算が措置できなかったとしても牧原政務官を責めることはできません。本当に日本の政府は羽振りよくお金を使えるような状態じゃないので。 (くどいですが))

 

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 結局、「動物」に対する思いや考え方は人それぞれで、どれが「正解」というものはありません。

 

 早く、日本全体が

『のら猫・のら犬とはいえ、命を奪うのは忍びない』

という感覚を共有できるようになって欲しいと願います。