日本のペット(犬猫)をめぐる現状について②
さて、前回、犬や猫がたくさん処分されているという話を書いたが、具体的にはどんな犬や猫が殺処分されているのだろうか。
まず、犬について見てみる。
犬は平成23年度に43,606頭が殺処分されたが、
このうちの36,120頭(82.8%)は成犬で、
7,486頭(17.2%)が子犬だ。
犬については大部分がおとなになった犬なので、
「途中まで飼い主がいたが、何らかの事情で飼えなくなったから」殺処分されたということがわかる。
よく聞く理由としては、
・ 引っ越しで飼えなくなったから
・ 家族がアレルギーになったから
・ 避妊手術をやってなくてうっかり産ませてしまったが飼い主が見つからないから
等があげられる。
一方、猫については、平成23年度に131,136頭が殺処分されたが、
このうち、48,814頭(37.2%)が成猫で、
82,322頭(62.8%)が子猫だ。
大部分が子猫なので、多くが
「望まれずに生まれてきたので」生まれて間もなく殺処分されたということがわかる。
大人のノラ猫については、鳴き声やいたずらに迷惑した近隣住民が、行政に依頼し殺処分に至るというケースが多い。
-----
こうしたことから、犬と猫の殺処分をなくすためには以下の取組がとても重要となる。(※ 他にもありますが主なものを記載しました。)
犬については、
・ 飼い主のいない犬を、新しい飼い主と効率よくマッチングしてあげること
・ 一般家庭でうっかり生まれないように、犬の避妊手術をしっかりすること
・ 捨てる可能性のある飼い主は飼えないような状態をつくること
で、
猫については、
・ ノラ猫の避妊手術を徹底して、これ以上産ませないようにすること
・ 生まれてしまった猫を、飼い主と効率よくマッチングしてあげること
だ。
なお、犬や猫は一度の出産で5~7頭くらい、多いと10頭以上の子を産むので、
一般家庭で
「うっかり産ませちゃった☆」とか
「見て見て!こんなにいっぱいかわいい子たちが生まれました♡」
というのは、一見微笑ましいようで、
実質は、
「日本において生かすことのできる犬・猫の枠を一気に埋めてしまう」ということなので、現在のペット殺処分の構造を知っている人にとっては悲鳴をあげたくなるようなことなのだ。
猫は年間に3~4回出産することが可能なので、「ノラ猫の避妊を行う」ことが、いかに大切かわかると思う。
しかし、ノラ猫の避妊なんて、誰が得するようなことでもないので、この推進は非常に困難だ。
一部の自治体や団体では、その必要性から、犬や猫の避妊手術に対し助成金を出し、実施を促しているが、それが可能なのは比較的財政にゆとりのある自治体のみである。
(http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-29/ext/04_2.pdf)
----
続きはまた次回書きます。